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完全グラフの穴

 まず,実験! 頂点数を 100 にして 決定ボタンをクリックしましょう. すると,少々時間が掛かりますが, 真っ黒な円になってしまいますね.

 続いて,頂点数を 99 にして 決定ボタンをクリックしましょう. 今度も真っ黒ですが, さっきと何かが違います. さて,何が違うのでしょうか?

 もちろん, 初めのは K100 で, 次のは K99 ですね. 違いがわからなければ, もう一度, K100K99 を 描き直して比較してください.

 ヒントはこのページの題名にあります.



 答えは,K100 が真っ黒になるのに対して, K99 は真中に白い穴が開くということです. 嘘だと思うのなら,もう1度実験して確かめてください. 98 と 97 で試してもいいですよ.

 では,どうしてそんな穴があくのでしょうか?

 答えは簡単です. 100 は偶数だけど,99 は奇数だから穴が開くのです.

 といわれても,ピンと来ない人は, K10K9 を描いてみてくっださい. 基本的には 100 と 99 の場合と同じ現象が起こります.


 要するに,100 も 10 も偶数なので, 正多角形状に頂点を配置すると, どの頂点に対しても, それとちょうど真反対に位置する頂点があるのです. そういう頂点を結ぶ辺は正多角形の中心を通るので, 真中の点が絶対に黒くなるのです.

 一方,99 も 9 も奇数なので,真反対の頂点というのがありません. だから,中心を貫くような辺もないことになります. それで,中心の点は白いままで,穴のようになるわけです.


 言われてみれば当たり前のことですが, 頂点数が少ない完全グラフを漫然と眺めていても, こういう現象に気づかないかもしれませんね. コンピュータの力を借りて, 99 個も頂点がある完全グラフを描いてみたからこそ, “完全グラフの穴”の存在に気づいたのだとは思いませんか?

 ところで,その穴の大きさはどのくらいになるのでしょうか? 中心点から辺までの距離の最小値がその穴の半径になりますね. その答えはみなさんにお任せします.


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