グラフの射影平面への埋め込みを数え上げる手法として導入した
グラフの平面被覆の研究を出発点として,
射影平面に埋め込み可能なグラフとその平面被覆の関係の研究が始まっている.
その流れの中で私が提起した
「有限平面的被覆を持つグラフは射影平面に埋め込み可能だろう」
という予想は「1-2-∞予想」として有名であり,
10年の歳月を経てもなお未解決なままである.[論文15, 20, 22, 27, 28]
その予想の提起と同時に,
群作用のある有限平面被覆を持つグラフに対しては予想が成立することと,
射影平面の既約グラフと呼ばれているちょうど100個のグラフに対して
予想の成立を確認すれば,予想が証明できることを示した.
現在,海外の研究者との協力により,その99%が解決している.
この平面被覆の研究と関連して,
北久保茂氏(現在,日本工業大学講師)は分岐点を持つ
平面被覆との関係で射影平面的グラフを研究して,博士論文をまとめている.
●おわり● [1998/5/10]