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トーラス格子

 トーラス? このカタカナ言葉を聞いたことがない人も多いでしょう.

 そのトーラスとは,浮き輪の表面のような曲面のことです. どことなくドーナツと音が似ていますね. もちろん,音だけでなく,その形状も同じです. 日本語では輪管面と言うのですが, トーラスの方が馴染みやすいでしょう.

 そのトーラスの上で格子のようなものを考えたのがトーラス格子です. 緯線と経線の値を適当に決めて(初めは捻じれを 0 のままにしておきましょう), 決定ボタンをクリックすると, その姿が現れなす.

 そのトーラス格子をマウスでつまんで動かすと, 回転させることができます. 回転させてみると,それが立体的なものであることがわかるでしょう.



 緯線の値はドーナツを輪切りにしたときの断面が 何角形になってるかに対応しています. 一方,経線はドーナツを1周する方向の長さに対応しています.

 緯線と経線は地球儀に描かれている線のことですが, 地球が球面ではなく,トーラス状になっていたら, トーラス格子のような線が描かれているでしょう. そういう思いを大事にして,緯線,経線と言っているわけです. 捻れの値を変えていきと, その線の入り方が変わっていくところを観察してください.

 どの頂点からも辺が4本出ていて, それで区切られている領域が四角形になっていることに注意しましょう. この性質から, トーラス格子のことをトーラスの四角形分割と呼ぶことがあります.


 さて,トーラス格子の3つのパラメータと頂点数と 辺数の関係はどうなっているのでしょうか? 実験してみればわかることですが, 捻れは,頂点数と辺数には影響がないようですね.

 結論的に言うと, 緯線の値を n として,経線の値を m とすると, 頂点数は nm で, 辺数は 2nm になっています. それはどうしてでしょうか?


 決まった記号ではありませんが, 四角形分割を英語で quadrangulation というので, 緯線の長さを n, 経線の長さを m,捻れを t として, トーラス格子を Q(n,m,t) で表すことにしましょう.


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