第三の理/補足○
四次元空間

 点だけだと 0 次元,直線が 1 次元,平面が 2 次元ときて, 普通の空間が 3 次元空間である. 空間が 3 次元だというのは, 縦,横,高さの 3 つの独立した方向があるからである. 空間には 3 本の座標軸を直交するように配置することができ, 3 つの実数の組 (x, y, z) によって, 空間内の任意の点を指定することができる.

 この空間の性質を形式的に拡張すると, 4 次元空間は, 縦,横,高さに加え,もう 1 つ独立な方向が存在する世界である. そこでは, 4 本の座標軸を直交するように配置することができ, 4 つの実数の組 (x, y, z, t) によって, その世界の任意の点を指定することができる.

 その第 4 座標を時間と捉えれば, 物理学でいうところの「 4 次元時空間」になるが, 数学では,すべての座標を対等に扱い, 4 次元空間を 4 つの自由度を持った幾何学的な空間であると考える.

 では,その 4 次元空間ではどんなことが起こるのだろうか? 例えば,どんな図形が存在するのか?

 よく知られているように,いわゆる正多面体には, 正四面体,立方体,正八面体,正十二面体,正二十面体の 5 種類が存在する. 4 次元空間にも, これに相当する対称図形が 6 種類存在する. それは同じ正多面体を何個か組み合わせて作ることができる図形で, 正多胞体と呼ばれている. その正多面体の部分を{\bf 胞}といい, その個数に応じて, 6 種類の正多胞体は それぞれ下表のように命名されている.

頂点数辺数面数胞数
正五胞体510105
正八胞体1632248
正十六胞体8243216
正二十四胞体24969624
正百二十胞体6001200720120
正六百胞体1207201200600

 例えば,正八胞体は立方体を 8 個使って作ることができる図形で, 4 次元立方体と呼ばれている. この図形は正多胞体の中でも理解しやすい方だ. 線分がその長さと同じ距離だけそれと垂直な方向に移動すると正方形ができあがる. その正方形をさらに垂直な方向に移動すると, その軌跡として立方体が得られる. その立方体をさらに垂直な方向に移動して得られる軌跡が 4 次元立方体である. もちろん,この立方体の移動はこの世では不可能だが, 縦,横,高さに加えてもう 1 つの独立な方向がある 4 次元空間でなら それが可能なのである.

 このような 4 次元図形の話は次の本に詳しく述べられている.

正多胞体が 6 種類になる理由やその頂点の座標など, 貴重な情報が記された本である.


negami@edhs.ynu.ac.jp [1998/5/1]