第三の理/補足○
LATEX

 数学者,コンピュータ・サイエンティストとして著名なD.E. クヌース (かつては,スタンフォード大学教授だった) が開発したTEX をもとにして, L. ランポートが構築した文書整形システム. 「ラテック」または「ラテフ」と読む. 普通のワープロでは作成が困難な複雑な数式や作表などを含む文書を 作成するのに最適である. 数学で論文を書く人には,必須のツールである.

 まず, テキスト・エディタを用いて, 通常の文字で記述されたコントロール・コードを記入して, 原稿のファイル(「tex ファイル」という)を作成する. LATEX はその原稿をきれいな版下に変換するプログラムである. その変換を「LATEX を掛ける」という. LATEX を掛ける前の原稿のファイルは, まるでプログラムのように見えるが, LATEX を掛けたもの(「dvi ファイル」という)を プリンタで印刷すると, 活字を組んで印刷した本のようにきれいな紙面が得られる.

 いったん慣れてしまうと, ワープロよりも便利だと思えるだろう. 実際,私もこの本の原稿を作成するのに, LATEX を利用した. 最近では,原稿をLATEX で作成することを要求する編集者も少なくない. 印刷屋さんが dvi ファイルの印刷に対応してくれれば, 活字を組むプロセスを省略できるので, 本を作る時間と経費が削減できるのである.


negami@edhs.ynu.ac.jp [1998/5/1]